西口君、アンパンを買ってきて!
私が以前、介護現場で働いていたころ、「西口君、アンパンを買ってきて!」と入居者様から頼まれました。しかし当時の私は、「糖尿病があるし、栄養管理されているから」と、その願いを断り続けました。「木下さん(仮名)の体のために」と、いいことをしているつもりでした。
ある朝、出勤すると木下さんの姿がありませんでした。昨夜、急に亡くなられたのです。私は呆然と立ちすくみました。昨日も「アンパン買ってきて」と手招きしていた木下さん。私はベッドの前で、心から「ごめんなさい」と謝りました。
「たかがアンパン、いま届けよう!」
あの時の「あなたの為」は、本当はいったい何のためだったのか。いつ命がなくなるかわからない。だからこそ、今ここにあるその人の思いを叶えたい。二度とあんな思いをしないために、私たちは「あなたの思いが叶いますように」という使命感を持って、日々の介護に取り組んでいます。
責任者 西口 広貴